体験型「恐竜」ライブエンターテインメント『DINO SAFARI(ディノサファリ)2026』の開幕を前に、開発・制作を手掛ける株式会社ON-ART代表取締役の金丸賀也氏、専任恐竜サポーターを務める北海道大学 総合博物館の教授・副館長、小林快次氏がインタビューに応じてくださいました!
金丸氏には、 開発者として、『DINO SAFARI2026』が今回どのような進化を遂げたのか? そして、小林教授には古生物学の権威としての視点から、今回の目玉であるパラサウロロフスの造形や動きのリアルさ。また、もう1つの注目恐竜で、小林教授が命名に関わられたフクイサウルスについて、それぞれお話いただきました。
Q.今回の2026年公演に向けて、恐竜たちのメカニズムや表現力において、以前の公演からアップデートした点はありますか?
金丸氏:今回はパラサウロロフスという新しい恐竜に加えて、ティラノサウルスも新しい姿で登場しています。よりリアルな恐竜の動きを実現するため、構造・機構はどんどん進化していますし、非常に細かな動きが再現されていると思いますね。技術的にも、かなりレベルアップしています。ですが、会場にお越しになる皆さんには、まずはそういったことは忘れて、恐竜との遭遇を実感してもらえれば嬉しいです。
Q.恐竜のリアリティがさらにあがっているんですね。そんな『DINO SAFARI2026』について、“恐竜のプロ”である小林教授はどのようにお感じになりましたか?
小林教授:(通し稽古を見て)僕自身もドキドキしました。ですから、専門家であろうが、なかろうが、本当に恐竜の世界に没入して、実体験できるのは、とても面白い経験でした。五感で楽しめると言いますか、恐竜を目の前に現れる動物として、新鮮な気持ちで楽しむことができますね。
実際にパラサウロロフスもよく再現されていますし、(一緒に登場する)フクイサウルスとの比較や行動、それを観客の皆さんに伝える解説も、適切で分かりやすい説明になっていると思います。まさにリアル『ジュラシックパーク』と言いますか、素晴らしい出来ばえですね。
Q.特に恐竜たちの皮膚の質感や、特有のトサカの造形について、学術的な知見から見て再現性をどのように感じますか?
小林教授:今回、登場するのは成長の途中にあるパラサウロロフスなんですね。それに合わせて、トサカも完全には発達しきっていない。学術的な裏付けで作られている。パラサウロロフスは人間とほぼ同じで、大人に成長するのに10数年かかる。会場にお越しになるお子さんにとっては、自分と同じ“年頃”の等身大の恐竜と会えるわけですよね。同級生と言えるかもしれませんし、それはすごくいいなあと思いました。
金丸氏:それはいいですね。ぜひ、その情報は解説に入れたいですね!
Q.物語のカギを握る『ワンダースタル』という設定には 、観客にどのようなメッセージを伝えたいという意図が込められているのでしょうか?
金丸氏:『ワンダースタル』はいろんな時代を超えて、恐竜が登場する『DINO SAFARI』を作る上で、ひとつ重要な設定になっています。これは僕たちが恐竜と出会って、「うわあ、すごいな。不思議だな」と思う感覚――それは驚きや感動だったり、恐怖もあるかもしれません。それが結晶になったもの、それが『ワンダースタル』なんです。宇宙誕生と共に『ワンダースタル』も生まれて、生き物が地球上に誕生したときに結晶化した。
結晶には、失われた生物を蘇らせるパワーがある。それが地球上のいろんな場所に現れて、そこから生まれたのが『DINO SAFARI』というフィールド。そんなストーリーがあるんです。生き物が存在する素晴らしさ、すごさを感じてほしいという願いが『ワンダースタル』には込められています。
Q.『DINO SAFARI』では、恐竜を間近で観察できる点も見どころですが 、子供たちが観察する際に、特に注目してほしいポイントを教えてください。
小林教授:恐竜も生物なので、食べたり、食べられたり、そんな競争を生き抜いて、恐竜という形になっています。パラサウロロフスのトサカ、ステゴサウルスの骨板、ティラノサウルスの鼻筋にあるたくさんのコブ。それぞれがとても多彩な形をしていますし、恐竜が持っているそれぞれの特徴、特色を観察してもらうと、恐竜たちが自分たちの必要な形に進化していることが分かると思います。肉食、草食でも違いがありますし、ぜひ“生物”として観察してもらうと、より楽しいのではないしょうか。
Q.小林教授が命名に関わられたフクイサウルスも、今回ステージに登場します。ご自身が研究された恐竜が、生きた姿で目の前を動きまわすことに、どのような思いをお持ちでしょうか?
小林教授:フクイサウルスはその名の通り、福井県からやって来た恐竜です。福井といえば、フクイラプトルもよく知られていますが、それ以前は、日本ではそこまでたくさんの恐竜の化石は発見されておらず、研究もさほど進んではいませんでした。
ですが、その後、皆さんがよく知る有名な恐竜――ティラノサウルス、エドモントサウルス、パラサウロロフス、アンキロサウルスなどーーの先祖型といえる恐竜が福井、そして日本でたくさん発見されているんですね。そういう意味では、日本は僕らが知っている恐竜ワールドの起源といえる重要な場所なんです。フクイサウルスも一見、地味に見えるかもしれませんが(笑)、かわいいですよね。
金丸氏:本当にかわいいです。
小林教授:そこから華やかな恐竜の世界が始まった。恐竜たちの進化のストーリーの“はじまり”が日本にあった。そんなことを『DINO SAFARI』からも感じてほしいですね。
金丸社長:今、小林教授がしてくださった物語を、いつか、そのまま『DINO SAFARI』で表現してみたいですね。
Q.日本は恐竜たちの起源のひとつである、というのは、とても心が高鳴りますし、ロマンがあるお話ですね。同時に『DINO SAFARI』は“日本のものづくり”に支えられているとも言えるのではないしょうか。
金丸氏:基本的に技術は表に出るべきではないと思っていますが、僕たちはものを作る人間として、“日本のものづくり”にもっともっと目を向けてほしいなという強い思いがあるんですね。日本はものづくりが、とても得意な国だと思います。『DINO SAFARI』の恐竜たちが生まれたのも、日本だからこそと言える面があります。技術面もそうですし、素材の力もありますね。子どもたちに、ものづくりの面白さを知ってもらい、興味を持ってもらうためにも、『DINO SAFARI』の恐竜たちに会ってもらうのは、夢もあって素敵かなと思っています。
Q.貴重なお話をありがとうございます。最後に『DINO SAFARI』を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。
小林教授:恐竜が好きなお子さんはもちろん、「恐竜に興味ないな」ってお子さんも絶対に遊びに来てください。興味ってすごく大切なことで、難しいことは関係なく、ドキドキした体験から、いろいろなことが誕生すると思いますから。以前に『DINO SAFARI』を見たことがあっても、今回、パラサウロロフスやフクイサウルスといった新しい恐竜が登場しますし、新しい発見が待っていると思います。大人の皆さんも、非日常を体験できるので、ぜひ足を運んでほしいです。
金丸氏:我々が目指しているのは、生き物を通してセンス・オブ・ワンダー(自然の神秘さや不思議さに目を見張り、感動する感性)をお届けすること。つまり、生き物を好きになってほしいんですよね。もっともっと生き物の世界に目を向けてもらえるように、その“扉”になれたらいいなと思っています。恐竜は本当にものすごいメッセンジャー。「うわあ、すごい!」という驚きや感動を感じていただけると、きっと身近にある自然にも興味を持ってもらえるでしょうし、そのことをご家族一緒に話してもらえると嬉しいですね。好奇心が湧き出るような、そんな『DINO SAFARI』をお届けしたいと思っています。